「ミミちゃん、正直に言えば皆は理解してくれると思うよ」


優しく声を掛けても、かたくなな態度を崩そうとはしない。


「だって、食事以外はなんにもしてないもん」
「ホテルから出て来たのは、どう説明するの? ミミ」
「それは……」


言い募る彼女に対し、蘭子さんは厳しい追及を続ける。


だが、実際に裁きを下すのはママの役割だ。


「蘭子さん、ママが到着してからにしましょう。もうすぐ営業時間です、とにかく店を開けないと」
「分かったわ、じゃあ、そうしましょう」


何とかこの場の空気を変えさせ、皆をロッカールームへ追い込む。


えーと、こういう場合は騒ぎの張本人をまずこの場から出さないとダメだろう。


後に残されたミミちゃんの腕を取って、あたしは店を出た。


「ミミちゃん、今日は休みにしよ」
「はい」