日陰より愛を



――――え………?


りょうが、私に探偵を寄越した?


なぜ。


私は、りょうにまで信用されなくなったのか。


「ははっ、そうだよね。脅そうと思えば、私はいくらだってりょうを脅せる……」


りょうにとっても、私は爆弾だってこと。


――産まれてこなければよかった


初めて、そう、思った。















その後、しばらくしてりょうが仕事先に訪れた。


さすがにあの探偵も家までは調べられなかったらしい。


私はおばあちゃんたちに休憩をもらい、近くのカフェに2人で入った。


「……久しぶり、葵。ずいぶん捜したよ」


「……みたいですね。こそこそしてた犬、捕まえましたから」


意識して敬語を使えば、彼はひどく傷ついた顔をした。