2年の先輩のことがあってから、絹子と詩織はあたしの近くにいてくれた

それだけでも、あたしにとってはすごい心強かった



『そーいえば、もーすぐバレンタインじゃん』

『サチはチョコどーすんの?手作り?』


毎年好きな人も彼氏もいなくて、友チョコだけだったから市販のチョコ買ってたけど、今年は違う


本命だもんねっ!!


『もちろん手作りだよ!!』

自信満々に言うと、すぐに絹子が痛いことを言ってきた


『あんたチョコ作れんの?家庭科2ぢゃん』


なっ……何で知ってるの!?

通知表は郵送で届いて、誰にも見せたことないのに……


絹子…恐るべし……


『チョコくらい作れます!』

溶かせばいいんでしょ?

それくらいなら楽勝ぢゃん!!

『まさかサチ。板チョコ溶かして、型に流して固めるだけじゃないよね?』

『えっ…ダメなの……?』

そう答えると2人はため息をついて、詩織は一冊の雑誌をあたしの前に置いた


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