あぁ。
殴られるしかないのか…。
ギュッと目をつぶる。



しかし、想像していた痛みは襲って来ない…。
不思議に思い、目を開けると、そこには一人の男が殴ろうとしている男の手を掴みんでいた。
「よぉ。女一人に男三人で襲いかかるたぁ、随分と卑怯じゃねぇかよ？」
「あ？なんだてめえは？」
「名乗る必要なんてねえな。」
「んだとテメエ！！お楽しみ中邪魔しやがって！！ぶっ殺されてえのか！？」
他の二人もゆらゆらと、手を掴んでる男に近づいていく。
「へぇ。女の子痛ぶんのがてめえらの楽しみか。呆れる奴らだぜ…。」
「んだとっ！？このっ…ぐぁっ！！」
バコッ、と、男が腹を殴られて倒れた。
「なっ！！！おいテメエ！！！なにしやが…グハッ！！」
またもや一人脱落。
「おめえもやんのか？」
男が聞くと、最後の一人は悲鳴を上げながら逃げて行った。
「大丈夫？？なんかされてない？？」
私に男が話しかける。
「あ、ハイ。なんともないです。」
「そっか。よかった。可愛いんだから気をつけないと。今は学校の時間でしょ？こんなところで何をしてるの？」
あれ？なんでこの人私が学生って分かったんだ？
「寝坊しちゃったんで、散歩がてら来ただけ。なんで私が学生って分かったの？」
しまった…。敬語をつけるのを忘れた。