「これだったらいいだろ?」


そう言って楓が止まったのは、コーヒーカップの前。


「そのまま入れるし。」


並んでた人が少なかったから、すぐに乗れるみたい。


最後の一個のカップに乗り込む。


《それでは、コーヒーカップが回り始めます》


お姉さんのアナウンスを合図に回り出す。


最初はゆっくりだったけど、速くしていくにつれてなんだか頭がすっきりするみたいに感じる。

もう、何も考えたくないからどんどん速く回していく。