授業が終わると、待っていたかのように私の周りにみんなが集まってきた。


 「梓、さっき安藤君と一緒に入ってきたよね!?」
 

 「それに手、繋いでたでしょ?」


 「いいなぁ」


 いいの?手を繋いでたから?


 分かんない。そりゃ、楓も悪い奴じゃないのかもって思ったけど。


 でも、そんなに?授業が終わった途端集まる程?


 かわいそうだよね楓も。


 こんなに人気者のくせに、私なんかと付き合うことになっちゃって。


 もったいないよ。嘘でも私に好きだとかいうなんて。