そこから、ゆっくり歩いた私たちは…見事に遅刻。


 1限目の授業の声が聞こえる。


 ドアを開ける瞬間、楓が私の手を取った。


 ―――ガラッ―――


 「遅いぞ。早く席つけよ。」


 『はーい…。』


 「2人で遅刻?」


 席に着くと、海ちゃんが話しかけてきた。
 

 「ちょっと、海ちゃん!!楓に私の家教えたでしょ。」


 「だめだった?ごめんね。」


 「ごめんねじゃないでしょ?そのせいで…。」