(ブー、ブー)


携帯が震えた


先生も、いないから開いて確認した



[夢ちゃん頑張ってね、
帰り一号棟の屋上にいるよ]




大樹先輩からのメールに心が弾んで

苦手な仕事もテキパキこなせた



でも、終わらなくて部活には顔を出せなかった



私は、着替えて学ランを片手に屋上に向かった




「大樹…先輩?」


一号棟は、かなりボロボロ


ギギィーと言う不気味な音を立てて扉を開けた



真っ暗だからかなり気味が良くはない


「キャッっ!」



先輩に肩をポンポンと叩かれて飛び上がった



「ごめん…
大丈夫?」


私は、笑った



「大丈夫ですよっ、
あっ、先輩これありがとうでした!」




私は、上着を差し出した



先輩はそれを受取って、私にかけた


「ワイシャツだけじゃ風邪引く
行こう」



先輩はそっと指を絡めながら手を繋いだ


バスに乗ってる時もずっとずっと



幸せを初めて感じることが出来た