NA-MI-DA【金髪文学少年の日常】

予想どおりと言うべきか予定どおりと言うべきか、いつの間にかナミダたち三人はバラバラになっていた。


本の海の中で、今頃おのおのの趣味に熱中していることだろう。


雲行きがあやしい。


いざという時本を守るために棚をテントの中央に引っ込める店がちらほらある。


屋根のない店の中には咄嗟にビニールをかけて難を逃れるつもりなのか、準備万端で構えているおじいさんがいた。


雨、降るかなぁ。


傘を持ってくれば良かった、と口の中でぼやく。


いつぞやの雨の日を思い出した。


今日は遠藤も傘は持ってなかったはずだ。