バイト先へは歩いて10分で着く


「いつまであの子雇う気なの?しかも多めにお金を渡したりして!」


おばさんの声だ


私は耳をすませて聞く事にした


「夏鈴か?だって彼奴可哀想じゃねぇか」


私の事?


ここには居場所があると思ってたのに


「もういいじゃない!やるだけの事はやったわ!これ以上出したら、家のお金がありません!」


私、ここでも要らない存在だったんだ…



「分かった…今日で夏鈴には辞めてもらう」


「そうして下さい」


私はギュッと服の裾を握って、意を決して扉を開けた