「若菜!」

愛しく私の声を呼ぶアナタがいる。

「大我!」

愛しく笑うアナタがいる。

「また明日な」

ポンポンと優しく頭を叩くアナタがいる。

全部全部好き。

大我、アナタは私の片思いの人。

ずっとずっと、

好きだった人。

仲良くなったのは、

半年前ぐらいだったよね。

一目見たときから、恋をすると

分かっていたよ。

ただこの恋が苦しく辛い恋になるとは

思ってもいなかった。

諦めようとした。

忘れようとした。

だけど消えなかった。

だから、私は、

アナタに片思いを続ける事にした。

大我、

全然気付いてくれてないでしょ?

いつも『若菜!』って呼ばれるたび

ドキドキしてるのに気付いてないでしょ?

でも、そんな鈍感な大我も好き。

全部全部好き。

ドキドキ、ドキドキ

名前呼ばれて早まる鼓動のリズム。

この日が、ずっとずっと続けばいい。

続いてくれればそれだけでいい。

伝えるつもりはないよ。

壊れてしまうのが怖いから。

だから、永遠隣で笑っていられるなら

友達のままでいいと思ってる。

半年前、

ドキドキ…ー

恋が始まる音がした。