「みっくん!座って!」
くれ縁に案内しそっとほほに触れた。
(ああ…だいぶ腫れている…)
竹田さんは勲章なんて言っていたけれど、
王子様フェイスなのに、綺麗な顔が台無しだよ。
「……」
しかし……
遠くで見ても間近に見ても、本当に綺麗な顔だよね。
「……」
(金髪の王子様……これは、私の知らない密貴だ)
記憶にあるあの密貴の面影を探そうとして、当てた手を離せないまま─じっと綺麗過ぎる顔を見つめた。
「ツグ姉ちゃん…?」
密貴の声に、はっと我に返った。
「あっ!ごめん!痛かった?」
触れていた手を慌てて離すと、密貴が慌てたように私の手を取り囁くように言った。
「触れてて、いいから…」
って。
ズキュン───!?
瞬殺で、射貫かれた胸を慌てて押さえる。
は、は、反則─!
王子様フェイスに何とも言えない艶っぽい表情を向けられて思わず、よろけてしまった。



