「つぐみさん…」
呟かれた声に、竹田さんを見て微笑んだ。
途端…
彼が驚いたように一瞬目を見開いて、でもすぐ優しく微笑んで──
「今のは…良い返事と取っていい?」
伺うように耳元で囁いた。
「えっ…」
「コラーーーーッ!!そこッ!!近すぎるだろうが」
腰に手を当て、ビシッと右手人差し指を立てて
彼女が近づいて来た。
「…」
彼女。
密貴でなくて…
彼女。
縁から庭にひらりと舞い降りるように降り立った彼女“毬”さんは、裸足のまま私たちに近づいて来た。
ひざ下10センチから伸びる抜けるような白い足。
彼女が近づく度に何とも言えない良い香りが鼻をかする。
間違いない。
女子力が高い。
それも、かなり。
おそらく素足であろうはずなのに、土を踏む軽やかさに目が奪われていた。
なんて体重を感じさせない歩み何だろうって…
まるで、ステップを踏んでいるみたいだって…
ぼんやり足元に気をとられていて、顔をあげた瞬間には、毬さんは目の前に立っていた。
「…」
しかも、なぜか、仁王立ち…



