考えすぎて頭の中がパンク寸前になった私の耳に聞こえたのは──── かずちゃんの声。 「あら、まあ!いらっしゃい毬さん──密貴なら奥の庭よ」 その声に3人共振り返ったけれど…私と竹田さんの驚いた顔に対して、密貴は凄く真面目な表情で── 縁側に現れたため息が出るような綺麗な少女を見た途端、密貴は花がほころぶような優しい笑顔で その少女の名前を呼んだ。 「毬」 って…。