図書館のキセキ



帰り際、靴箱に靴を取りに行くと、


「村田、ちょっといい?」


そう言って、かずまに呼び止められた。


まいこは自転車置き場で

待ってるね、と言い先に行った。


同じサッカー部で、

かずまはキャプテン。


こうやって、話しかけられるのは

別にいつものこと。


『ん?どうかした?』


和馬は一瞬目を閉じて、息を吸い

そして、吐いた。


「俺、お前のこと好きなんだ。」


ーーーえっ!


まさか、そんなことを言われるとは

思ってなかった。


ずっとずっと、友達だったから。