図書館のキセキ



いつも通り、特等席へ座る。


1時間ほどたったころだろうか、

ふと、目の前に人影が現れ

私はパッと顔をあげた。


するとそこには、

前来た時に、寝ていたあの人が

私の方を見て立っていた。


私もあの人を見ているし、

あの人も私を見ているしで、

目があってしまう。


すると、その目の前にいる男の人は

ニコッと笑い軽く頭を下げた。


ーーーえっ!覚えててくれたんだ!


たったそれだけのことだっけど、

何だかすごく嬉しくて、

私も笑顔で頭を下げた。


その後は心臓のドキドキが

止まらないまま、

勉強にも集中できぬまま、

一日が終わってしまった。