「赤の王に狙われる危険性がありますので早く逃げましょう。」
と慌てて私の腕を引っ張った瞬間、
護衛兵は思わず手を離して驚いた。

「な、なななんでここに赤の王が!!」
「え?」私はきょとんとした。
「何を言ってるの?赤の王ってどこに」
「目の前にいるじゃないですか!王女様。」
「え!?」
私の目の前にいるのが・・・赤の王。

兄を殺した張本人・・・・
「うそよ、そんなまさか・・・。」

アレクサンダーの剣から血がしたたり落ちる。
開いた窓から一筋の風が入り込み、彼の赤いマントを翻す。

私達はお互い驚いた表情で見合った。


まさか彼が、ゼフェルが、赤の王なんて・・・そんなの嘘よ、嘘よ。
私は護衛兵に腕を引っ張られながらシャーゼの家を後にした。