「お前は何者だ。そこで何をしている。」
突然、声をかけられ思わず私は振り返った。

「え?」振り返ると赤いマントを羽織り、鉄の西洋甲冑を身に纏った青年が立っていた。

長身で髪は黒く、鼻筋の通った端正な顔立ちの青年だった。まだ20代だと思われるのに大人びていて、その緑色の目からは、どこか冷めた鋭い眼光を放っていた。


「私ですか?病気を患ってる知己のために花を摘んでます。ほら…」と言って私は花籠の中でいっぱいになった赤黄緑青紫の色とりどりの花を見せた。


「おお、綺麗だな。」そう言うと彼は私の隣に腰掛けた。