「娘はレイゼル家の王の子を身ごもってしまった。それがお前だ。
一人で育てると思っていたのだが更なる悲劇が起きた。

それは・・・
マウル湖のほとりでレイゼル家の王と出会ってしまった。
（あの子らと同じように・・・。）
娘はレイゼル家の王に見初められ、二人は結婚をした。
不幸で哀れな子をレイゼル家の王は見捨て、
もちろんフェルツ家も同様に子を引き取ろうとはしなかった。
結局、わしが引き取り、育てたのじゃ。
悲しませんようにとそのことを隠しわしはお前を立派に
育てたのじゃ。」

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「は、笑わせるなよ。」
俺が不幸で哀れな子？敵対する国の王との子だからか。なにも知らずに俺はレイゼル家の現王子を護衛する傭兵隊長になったのか・・。

その時だった。ふっとあの少女のことを思い出した。