結城は縁なしの銀色眼鏡をかけていて、
さらさらと風になびく黒髪が特徴的。
すっと通った鼻筋に薄い唇。
全てを見透かしそうな、でも吸い込まれそうな切れ長の少し茶色がかった瞳。
正直その辺のチャラい男子よりかはこちらの方が整った顔立ちだと思う。
でも結城はかなりの秀才君。
態度だって冷たいし、なにより無表情。
笑った彼を見た人はいないという噂もある。
それほどまでに彼は良くいうとクール、
悪くいうと愛想なし。
...まぁ顔のお陰で人気は爆発的だけど。
「舜くんっ数学教えてー?」
「...断る。お前に教える時間なんてない。」
「きゃっ、舜くんの意地悪ーっ」
明らかに媚び媚びの女子が結城に群がってる。
こいつの愛想の無い性格も女子から見たらかなりポイントが高いみたい。
どこがいいんだか...ただの冷たい奴じゃない?
それに、結城は何をしてもなびかない。
この私が微笑んで話しかけてやってるのに眉一つ動かさず淡々と事務的に返すしっ..!
もう悔しい!いやそれを通り越して屈辱っ...!
私に微笑みかけられたら普通は顔を真っ赤にするものでしょ!?!?!?
「憂?」
「...えっ?あ、ごめんね、ぼーっとしちゃってたっ」
不思議そうに見つめてくる柚希にふわりと微笑む。
まわりの男子たちは思わず箸を止め私を見つめる。
そう、これ!これが通常の反応。
なのに結城はやっぱり静かに箸を動かす。
ほんとにありえないっ...!