「で、でも...」

責任を感じ、まだ納得いかなそうにしている私に、生徒会長はいきなりぱっと顔を輝かせ、


「っあ、じゃあさ、お詫びっていったらアレだけど、君生徒会入ってよ!」


と例の満面の笑顔で言った。


「...へ?」



よく状況がわかっていない私がつい間抜けな声を出すと、

「今ね、生徒会から一人抜けて、役員の席が空いてるんだ。うちの学校は生徒会6人で仕事してたんだけど、5人じゃ回らないことも多くて。そんな技術的な仕事もないし、どうかな?」

と、最後に少し悪戯っぽく目を細め、私と目線を合わせるように近距離でかがみ、丁寧に説明してくた。

...なんかこの人がモテる理由わかった気がする。


生徒会かぁ...

大変そうだけど、生徒会長がこう言ってくれてるし、もしかしたら学校コンプリートに繋がるかも。生徒会委員は学校トップクラスに入るような容姿の人が多いって聞くし。

一人で頷き、私は、生徒会長の目を真っ直ぐ見つめて、

「はい!私で良ければぜ「その話は後でで大丈夫ですか?俺たち日直なので」...え?」


何このデジャヴ感、と思いつつ、声の主のを振り替える。

結城はいつもと同じ無表情だったけど、何かが、何かが決定的に違う。そう感じる表情をしていた。

「あぁ、そうだったんだ?ごめんね、長話しちゃって。」

生徒会長は突然話を遮った結城にも嫌な顔ひとつせず、柔らかな笑みを浮かべ謝罪の言葉を述べた。

そして私の方に向き直り、

「じゃあ、このことはまた今度話そうか?えぇと...」

「あ、七瀬です。七瀬 憂。」

「じゃあ七瀬ちゃん、またね?」

生徒会長はそう言って私の頭を優しく撫でると、結城にも軽く会釈して廊下を歩いていった。


...最後まで爽やかオーラ全開って、流石としか言えない...。