「...はあ、それこそ誰かに見られたらどうするの?」
呆れたようにため息をついてみせる。
「...悪い」
気まずそうに頭をかき視線を逸らす結城。
私の瞳にはその行動ひとつひとつが鮮明に、そして輝いてみえる。
「ほ、ほらはやく職員室行かないと。」
そういって、いつものように笑う私に、結城もいつものように
「あ、あぁそうだな、こんなことで時間を無駄にできん。」
と言ってのけた。
「てかあんたいつも時間時間言ってるけどなんなの?サラリーマン?」
「はぁ?俺がそんな地位で満足するような男に見えるか?ありえないにきまっている。」
「えっ、真面目に返さないでよ」
そう笑いながら職員室へ向かう。
…これでいい。

