二人に見つからないように、そっとそこから離れる。 「ねぇ、ほんとに柚希ちゃんのこと好きじゃないの?」 だけど、不意に私の名前が聞こえて、思わず足を止める。 「うん。」 「だって抱き締めたって...」 「梨本さんはあくまで可愛い後輩、だよ。妹みたいなもん。それ以上でもそれ以下でもない。梨本さんだって、俺のこと兄貴みたいに思ってるんだと思うよ?」 胸が、ドクンと音をたてる。