「...それに、この俺に何度もお預けとは、いい度胸だ。」

軽く口の端を不敵に上げると、私との距離をたったの数歩で一気に詰める。

歩幅大きいなぁ、なんて関係のないことを考えていると、頬に大きな手をあてられた。

そして、私との身長差を埋めるかのように、少し腰を落とす結城。

「...七瀬」

「っ、な...に?」

耳元で囁くその甘い声に、途切れ途切れに反応する。