腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅰ






「何をしているんだ。」

不意に声が聞こえ、男子生徒が驚きの色を顔に滲ませる。

「...ここは公共の場だ。」

静かで、だけど氷のように冷たい眼差しに、今度は男子生徒が恐怖を感じたのか、私から離れる。

私は途端に力が抜け、床にしゃがみこんでしまう。


「う、う、憂さんすすすすいません!わ、忘れてください!」

男子生徒は突然現れた彼__結城をちらちらと見やりながら廊下を駆けていった。