近くにある結城の端整な顔立ちに思わず目を奪われる。

触れてみたい、という感情を引き起こすようなさらさらの髪に長い睫毛のある切れ長の瞳、異常なまでに整った唇や鼻。


私の、__好きな人の顔。


「あ、あの、結城っ...?」


中々離れないその距離に私が耐えきれなくなって結城の名前を呼ぶと、それが引き金だったのかというかのようにその距離が段々と縮まる。


(...あ、)


思わず、ゆっくりと目を瞑る。


その距離が、限りなく0㎝へと近付いていく。