「柚希?どした?」
重さに耐えつつ、尋ねる。
「このストラップって...」
柚希は器用にしゃがむと、少しペットボトルを置いて落ちていたストラップを拾う。
「...あ、やっぱり晃さんのだ!」
「そうなの?」
「うん、携帯についてたし、Akiraって彫ってある!あ、そういえば、大事なやつだって言ってたなぁ...」
少し迷ったようにストラップをじっと見つめる柚希。
少しして、柚希が顔をあげた。
「ね、憂...」
「ん、いいよ?行ってきて」
柚希の言いたいことを汲み取り、笑顔でそう彼女に言う。
「ごめんね、ありがとっ...」
すると柚希はペットボトルを床におき、何度も謝罪とお礼を口にして向こう側に駆けていった。

