此方も寄ってくる女子を軽くあしらってから少し休憩しようとすると、七瀬が教室の隅で失敗作の食べ物をつまんでる光景が視界に入った。


思わず傍に寄り、自分もそこで水を貰う。


「...あ、結城」

ふと七瀬が此方に気付き、俺を見る。

俺の方が背が幾分高い為、自然と上目遣いになる。

「っ、」

頬が少し熱くなるのを感じ、顔を逸らす。


「...どうしたの?結城もお腹空いたんだ。」

きょとん、としながらも小声でそう話す七瀬。


「あ、嗚呼。少しな。」

平然を装い、そう答える。

「確かに疲れるよね。」

労ってほしいくらいだわ、と冗談っぽく笑う。


「...そうか、」

俺はそう言ってから、クラスメイトがそれぞれの仕事に熱中しているのを見て、彼女の頭を優しく撫でる。