項垂れた七瀬ちゃんの鎖骨付近に、赤い痕が覗く。


__彼が、つけたのか。


段々と頭に血がのぼってきているのをはっきりと感じた。


「...七瀬ちゃんは結城くんのことが、好きなんだよね?」

「っ、え?いや、あの...」


俺が問いを投げ掛けると、目に見えて真っ赤になる七瀬ちゃん。

「...好きなんだ?」

思わず低い声がでる。

「っ、」

七瀬ちゃんがびくっと肩をあげる。

その一つ一つの動作が可愛くて。

でも、その動作も、心も手に入らないのだと思うと切なくて。