腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅰ



「んー、私もやるかぁ...」

小さく伸びをしながら作業に取りかかろうと、書きかけの看板に手を伸ばす。

「わっ!?」

その看板が思った以上に遠くにあり、バランスを崩した私は思わずこける。

「な、七瀬可愛いっ...じゃなくて大丈夫?!」

周りの男子が慌てて近寄ってくる。


__欲を言うなら助けてくれるのは結城がいいんだけどな。


そう思ってしまい、自分を叩きたい衝動に駆られながら「ありがと、大丈夫っ」と柔らかく微笑んでみせる。