「っあ、入らせていただきました!梨本柚希です!」


慌てて続きを話始めた柚希。

彼女が晃先輩を見ていたのは一瞬で、だけどその意味がわかったわたしは思わず笑いを堪える。





「ね、さっきの黒髪の人、晃さんだっけ?めっちゃかっこい!好きです!」

「早っ!?」

生徒会室からの帰り、予想通りそう言ってきた柚希に、想定していたとはいえやっぱり驚いて間髪いれずつっこんでしまう。


「だって格好いいじゃん!あ、憂は結城くんしかみてないからわかんないか?」

「そ、そんなことない!」

「いやぁそれにしても初日から仕事任されるとは、なんつーか流石だなぁ、生徒会」

「いや受けたのは私だけどね?」

私の否定をスルーして、話を180度かえる柚希に思わずまたもやつっこむ。

「まぁまぁいいじゃん!にしても、うちら生徒会な上に文化祭実行委員か...」

「んー、でもあと一般生徒一人必要だし...まぁ決めるのは明日、かなぁ」

先程の生徒会室での会話を思い出したように話す柚希に、私が考えながらそう答えると、柚希も同意するように頷いた。