「ねえ、前、涼が言おうとして俺が止めたこと、何なんだか知りたい?」
「...え?」
「あれはね、「俺が気に入った子を手に入れようとする」ってことなんだよ」
「手に…」
「嗚呼。俺は昔から人のもの、なびかないものを手にいれたいって思うみたいなんだよね。
まぁ人間みんなそうでしょう?
俺は、ただそれの恋愛気質が強かっただけなんだよ。
屁理屈だろうが何だろうが、君は約束を破った。」
そう囁くように言って妖艶に微笑む。
「え、あ、…」
「他の人のものって、美味しそうに見えるんだよね」
私が困惑していると、耳元に春太先輩が口を近付け、
「__いただきます」
そう言って私の耳たぶに噛み付いた。

