「っあ、早く行かないと!」


時間が無いのに気付き、私は結城に手を振り慌てて教室をでた。





「すみません遅れましたっ...!」

私が体育館にいくともう生徒会の面々は揃っていた。

「はは、いやでもまだ約束の10分前だよ?俺らが早いだけ」
私が謝ると春太先輩はクスクスとおかしそうに笑いながら頭を撫でてくれた。


「うぅ、あ、ありがとうございます...」

私がそれでも申し訳なさそうにしながらお礼を言うと、

「はいはい、気にしない。」

と、春太先輩がデコピンをしてきた。

私が思わず小さく声をあげ痛みを堪えていると、やっぱり春太先輩はおかしそうに笑いながら台本のようなカンペのような、とりあえず今日の朝礼で使うのであろう紙を私に手渡した。

すると、

「覚えなくて大丈夫だから、できるだけ噛まないように。」

と、晃先輩が素っ気ないながらもアドバイスをくれた。


結城に何処か似てるなぁ、と思いつつ

「晃先輩ありがとうございますっ」

私は満面の笑みでお礼を述べた。


春太先輩は、そんな私を目を細めながらみていた。


まるで、冷めた様な笑みで。