「お前、秋の墓に行ったのか?」
夜、久しぶりに父さんと母さんが早く帰ってきたらこの話。
ちなみに母さんの名前は鈴川秋だ。
「うん。悪い?」
「いや、珍しいな。お前が自分から行くなんて」
てか毎年一人で行ってますけど。
父さんは一度も墓に訪れてない。
「父さんは行ったこともないでしょ」
「まあ…な」
母さんをギロッと睨んだ。
「何よ」
不思議そうに見てくる母さんをさっきより強く睨んだ。
「父さん、ちょっと外してよ」
「え、あ、ああ」
空気を読んだらしく、ささっと自分の部屋に行った。