「鈴川おはよう」
「ん」
いつも通りの会話。和田に軽いあいさつをして席に着いた。
「ねぇ、和田」
「ん?」
俺達はランドセルから教科書などを出しながら話していた。
「黒名って知ってる?」
「黒名ぁ?誰だそれ」
「椎名のこと、前から知ってた?」
「いや、知らねぇよ」
「じゃあ、和田のご両親と何かあった?」
「っ!」
和田は少し目を見開きながら俺を見た。そして目を逸らしうつむいた。
「和田?」