「謝る必要はないぞ、椎名」
俺は我慢できずに西園寺達のほうに向かった。
「鈴川さん…!」
「あのさー、鈴川さん。あんた関係ないんだからどっか行っててくれない?邪魔なんですけど。迷惑だし」
「迷惑なのはお前らじゃないのか?」
「は?」
手を組みながらつま先をトントンやっているのは女王のポーズだ。何、あんたいつのから女王になったの?
「お前らのせいで教室にいた奴らが外に行ったんだぜ?何?お前らの趣味は皆の自由を奪うことなの?しかもさー、椎名すんごい困ってんじゃん。それくらいわかんないの?てかお前ら声デカイ。迷惑。だったらこないだのようにトイレでやってたら?あんときは俺の悪口言ってたねぇ。それが学年全員に知られたらどうするの?悪口言われるの今度はお前らになっちゃうよ?」
「聞いてたの…!?」
「聞いてたよ。まぁ低レベルの悪口ってところかな。なんか頭の悪い言葉を並べた会話だったような気がするけど。ほら、椎名」
「え?」
「行くぞ」
「う、うんっ!!」
こちらを睨んでいる西園寺達の視線を無視し椎名と外へ向かった。