「えーっと転校生な。入ってきていいぞー」
何漫画みたいな言い方してんすか。てか最初っからいろよ、転校生さん。
―――ガララ
皆、ちょっとざわざわしてるな。転校生って最初はこんなもんだよな。
そいつは女で背は私より低い。145ぐらいだな。んで…髪は普通か。
…普通…だな。アホそうな顔してるし、運動できなそうだし。
ダメだこりゃ…転校生って最初は期待されてるけどイメージがすんげぇずれてるとちょっと引かれるよな。
「葉神椎名です。よろしくお願いします」
…うん。よろしく。君は私と一生話さないと思うよ。
休み時間になると「どこから来たの?」とか、「趣味は?」って女子達が椎名っていう人に質問している。…嫌な予感がする。あの…西園寺達が狙ってるよ…自分の味方を増やすチャンスって思ってるんだろうな。西園寺達は主に西園寺を中心にしているグループで、人数は5人ぐらい。私をいじめてたグループ。そういや凛に忠実だったっけ…
「私は西園寺雪菜。よろしくね」
「うん。よろしく」
いやぁ、騙されてしまいましたね、椎名さん。嘘のない笑顔で喋ってるよ…
西園寺は…
嘘っぽい顔だな。あいつ腹黒だし。いろいろと趣味悪いし。
センスはいいけど。
「あのぅ…」
いつの間に私の前にいたのか。葉神は私の机の前に立っていた。
やめてくれよ…西園寺達が睨んでる。
「何」
「名前は…」
めんどくさ。名前とかどーでもいいじゃんか。
「鈴川琴音。これでいいよな?さっさと西園寺達の所に行ったらどうだ?」
「う、うん」
ふう、やっと行ったよ。
男っぽいと思われたよな…口調完璧男だもん。