[あなたは変わっちゃダメ。また傷つくんだよ?]
傷つく…ね。
それはもう嫌だ。傷つくのは一回だけで十分だ。
[だったら何で?]
立ち止まってちゃ進めても進めないだろ。たしかに俺は傷ついたお前の代わりに一年間生きてきた。お前の命令通りぼっちで生きてきた。
でも俺は和田に出会った。俺って言ってるけど俺は女だ。男子に恋をしたりするさ。感情は命令通りできない。
[…]
お前も和田のこと好きだろ?気持ちを隠して強がってるだけだろ?辛くないのか?
[辛いよ。すごく辛い]
だったら何で俺に代わったんだ?
[人と喋るの、もう嫌だから]
それはただのわがままだ。そんなんで俺を作ったのか?
[うん。あと、自分に楽しく生きてほしかったから]
私のお前じゃなくて俺達の体が、だろ?
[そうよ。あなたが本当に幸せになったら私は消えるわ。だから…あなたが幸せになるまで見守っている]
その代わり余計なことするなよ?
[わかった。あなたを幸せにするのは和田と葉神だから私は何も言わないし何もしない]