は?誰に?凛に?
「鈴川さん、昔夏川さんに裏切られたんだって?でも夏川さん反省してたよ」
反省?反省って…何が?
「自分が悪かった、またやり直したいって」
「…よ」
「え?」
「無理なんだよ…なり直したいけどやり直せないからこんなに苦しんでるんじゃん」
終わりは決まっている。
そう、終わるのが遅いか早いかで結末は同じなんだ。
裏切られる
二年生のときもそうだった。
四年生もそうだった。
あの言葉が頭から離れないんだよ。
『琴音!』
『あのさ!今度カラオケ行くんだけど琴音も来る?』
『いやー。人数足りなくて!しかたないから琴音誘うことになったんだけどさー』
『一応誘ったんだけど…ね!友達だからいいでしょ?』
『えー。それだったら皆の信頼が…』
『あはは…何よ、琴音ノリ悪~』
シカタナイカラ、イチオウ、トモダチダカラ。
どんなに飾った言葉でも、飾られてない言葉はある。そこを見つけてしまうともうおしまい。友情の物語は幕を閉じるんだ。
「でも、鈴川さんは和田さんのこと…好きでしょ?」
「は?」
「表情でわかるよ。鈴川さんは和田さんだけ心を許してる。でもそれは完璧ではない。あと少しで心を完璧に許そうとしているのに、鈴川さんの心の中の何かがそれを止めている。その何かは昔夏川さんに言われ傷ついたもう片方の鈴川さん」
もう片方の俺?
「今鈴川さんは変わろうとしている。でも…」
なぁ、もう片方ってお前だろ?
[なんでわかったの?]
さあ。わかるもんはわかるんだよ。久ぶりだな、