やっぱ自分のベッドは落ち着くな。
昨日、親は俺のことを心配しただろうか。いや、絶対しない。あいつらは、俺なんかどうでもいいんだ。
コンコン
ノックの音が聞こえた。
「琴音、入るわよ」
母さんの声だ。
何、こんな時間に。
ガチャ
説教か…もういいよ。
「あなた、昨日どこ行ってたの」
「別に」
「あのね、あんたが悪いことすると私達まで悪く言われるのよ?特にお父さんは社長なんだからもっと親のこと考えなさい」
「…」
またこれだ。『親のことを考えろ』。何回聞かされたことか。考えてないのはそっちなのに。
「あなたのせいで私達の信頼が壊れたらどうするの。ちゃんとした教育をしていないって言われるのよ?!」
知るか。そんなの壊れればいいじゃん。
「母さんにどこに行くか伝えなさい。せっかく携帯持たせているのに…」
母さんの文句はいつも決まっている。まるで自分は悪くないみたいな文句。
電話してもでないじゃん。メールしても見ないじゃん。
だったら意味無いじゃん。
「わかった?明日から一週間は母さん達ホテルに泊まるからお留守番しててね」
そう言って出て行った。
俺は声に出さず泣いた。
なんで?なんでなの?
なんで自由にさせてくれないの?
なんでわかってくれないの?
わかんないよ。