「あ、もう五時」
「送ってくよ」
よっこいしょっと言って立ち上がった和田は寂しいような顔をしていた。
今俺はどんな顔をしているだろう。悲しい顔をしているだろうか。それとも何にも考えていない、無表情だろうか。
「うん」

俺の家に着いて和田は手を振って帰っていった。