「暗いのなら明かりを点ければいいのにお前は明かりを点けなかった」
…!
「お前は一人で抱えてたんだ。自分でなんとかできる、そう思って見えていた明かりのスイッチを見て見ぬふりをしていた」
見えていたの?俺自身が暗闇にいるわけじゃなかった。俺の心だけが暗闇にいた。だから俺に言われても困るはずなのに、なぜか見えていた感じがする。
「寂しかったんだな」
目を細め微笑んでいる和田は俺の前に来て、抱きしめた。
「大丈夫。俺がついている」
今日はよく泣くな。それは俺が望んでいることではない。本当に望んでいたのは、この気持ちを誰でもいいから知ってもらうこと。
寂しくて、誰かわかってほしい気持ちでいっぱいで。でも聞いてくれる、わかってくれる人はいなくて。
和田も何か辛いことがあったのだろうか。
でも、わかってくれればいい。その人のことはあまり深く聞かない。