俺達が出てきたのは八時半で、もう誰もいなかった。
脅かし役も途中で出て行ったんだろう。
「大丈夫か?」
「うん。今日はありがとう」
そう言って帰ろうと思い帰る方角へ足を向けた。
「待て」
夕飯は食べ終わってるから別に早く帰らなくてもいいだろう。
親は相変わらず俺のことなんか気にしてないから心配しないだろう。
家に帰ってもまた一人に戻るだろう。
その時間を短くしてくれたのが、和田。
「俺んち来るか?もう遅いしお前の家、親帰ってきてないだろ」
男の家行くってどうなのさ。
「俺の家も親いないけど、まだ平気だろ」
「うん」
「風呂は明日休みだし明日入ればいいだろ」
寂しくない。一人じゃない夜になるんだ。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「こっちだ」