観覧車から降りると椎名がニコニコしながらベンチに座りながら待ってた。
おい、その微笑恐いからやめろ。
「それじゃ、帰ろっか!」
椎名はそう言ってベンチから立ち上がった。
今日はとても楽しかった。こんな幸せが一生続けばいいのに。
記念撮影の写真を見た。
俺はいつも笑顔が下手くそだ。でも、この写真はニコッと笑っていた。
ワオ。こんなに笑えるとは。
「あ、待って」
和田と椎名が歩いていくのを止め、今までずっと言えなかった言葉を口にする。