「杏奈~。
1番好きなのがケーキで~。
2番が、マフィン。
でぇ、3番が~、チョコレートかなぁ?」


じゅるっとよだれが出るのを我慢しながら、ひとさし指をあごにあて、悠真先輩を見上げると……。


「ありえねぇ。
つか、無防備すぎるだろ。
おまえ、天然? 
それとも、ただのアホ?
だから、あのとき……あんなに怒ったのか」


悠真先輩は、力なく笑うと、ガックリと……うなだれた。


「つかさ、それより……。
あんなオヤジのケーキ発言に負けそうになる俺って、どうよ」