「じゃあ、じゃあ、10分だけ!
その先輩が来る前に、おじさん。
杏奈ちゃんに、たーっくさん、ケーキを買ってあげるよぉ!」


と、おじさんは両手を合わせて、にこやかに笑った。


「……け……ケーキ……?
た……たくさんっ……?」


そんな言葉を聞くと、じゅるっとよだれがたれた。


でも、その瞬間……。


「おまえは、アホか!?」


そんな言葉とともに、腕をグインと引っ張られた。


「こっちへ来い」


「……ほぇ? 先輩っ!?」