そう思ったら……。


胸のドキドキがひどくなった。


そんな状態に耐えられなくて……。


杏奈を抱きしめる先輩の腕の中から抜け出した。


そして、先輩の顔を見ながら口を開いた。


「でも、でも、先輩は……」


そんな風に、さっきの続きを言おうとしたのは……。


“杏奈の知ってる”悠真先輩に戻ってほしかったから。


でも、悠真先輩は……。