帝side


「はー!食った食ったぁ!」

うるさいな。

「おいしかったねー」

早く帰りたい。


私、柚木帝は今ものすごく疲れています。

なぜなら、ファミレスに入った瞬間に注がれる視線。

店員やバイトの人たちが注文を取りに行く人を決めるために始めたジャンケンの声。

変なメイクはとったものの、まだまだ地味子の私たち三つ子に向けられる嫉妬の目。


どれもこれも精神を削るものばかり。


勿論、晩飯はしっかりちゃっかり食べましたとも。

あれをスルーできる皆は凄いわ。


「じゃあ、私たちは帰るね!」
あ、そう言えばこの辺に、命の車が隠してあるんだっけ?


「おう!気をつけろよ!」


皆に見送ってもらって、私たちは車に乗り込んだ。


運転は命!

こう見えて命は意外と凄い。