「聖鈴ですか。親戚は居なかったと思います」

「そうですか…」

「他人の空似でしょう」


うーん…本当にそうなのかな…

使っている言葉が丁寧すぎるからか。少し、胡散臭く感じてしまう。

って!注文、伝えに行ってない!

これじゃ、いつまで経っても彼にビーフシチューを食べさせてあげられない。


「話、聞いてくださりありがとうございました。料理が来るまで、もう暫くお待ちください」

「あ、はい。こちらこそ…」


彼の言葉を最後まで聞くことなく、頭を下げその場を離れた。