原口くんは開いていた本から視線を上げると、それをパタンと閉じた。

そして、何故か私の目の前までやって来た。その距離、約50cm。

…ち、近い!避けようにも、直ぐ後ろには閉まった扉があり動けない。

扉が内開きなのが悔やまれる。

一体全体、何?何なの!?先の読めない彼の行動に私はただ混乱するだけ。


「ふーん…」

「な、何ですか?」

「ああ、気にしないでください」


そう言うけれど、そんなに見られたら気になるじゃないですか!